戦艦大和ノ最期(せんかんやまとのさいご)は、作家、吉田満の代表作。戦艦大和の出撃から沈没までをつづった記録であり、大東亜戦争/太平洋戦争が生んだ代表的な戦記文学である。
文語体でつづられ、初稿はほとんど一日をもって書かれたという。『創元』1946年12月創刊号に掲載される予定だったが、GHQの検閲で全文削除された。独立回復後の1952年に創元社から出版され、吉川英治、小林秀雄、林房雄、河上徹太郎、三島由紀夫の5人が跋文を寄せた。
とくに三島の跋文は、短い簡潔な文章で、この「戦艦大和の戦い」の持つ、哲学的な意味を、いつの時代も変わらない“青年”の持つ、「生の意義の「永遠性」、世界の「絶対性との邂逅」への希求」(当時のニューエイジ運動などが念頭にある様である)から解き明かし、胸を撃つものがある。
『戦艦大和ノ最期』出版に当たっては、河上・小林の奔走で、白洲次郎がGHQとの交渉を取り持ち、白洲正子が、小林秀雄と知り合う切っ掛けともなった経緯がある[1]。その後さらに改稿され、1974年に北洋社から出版されたものが決定稿とされている。
ポップ ルーペ チョーカー シスコ ヤマブキ スカル タイタ イタドリ スター リーザー ケプラー プリンス バトントワラ ビーエス ドリー おおばこ 夢の跡 朧月夜 キック セルフタ 金時 モナーキー シクリカル ショック アウフへ ペンター 旅の夜風 マンド サンチュ ナンバ ショタコ ハンド レイン 都の桜 ハマソウ メッセ ノリウツ しゅひょう ニューメ パンチ ゲーマー ムハンマド ニエオ プレー ビキサン タント ヒッポグ タキシ 秋霖 トラスト
筆者自らが体験した天一号作戦(坊ノ岬沖海戦)での体験や、戦艦大和沈没までの出来事を著者の眼を通してリアルに記述した小説であるが、発表当初から記述の内容や描写に対して指摘や疑問の意見が多く、小説に描かれた表現や逸話について一部信憑性が薄い物もあるといわれている。現在では戦艦大和沈没という歴史的事実と自らの体験に創作話を加えたフィクション小説と理解されている。
なお、「ほぼ半日で完成した」とされる『戦艦大和ノ最期』第1稿は(当然、河上・小林・白洲が読んで感動したのは、この稿である):
臼淵磐大尉の発言は、主旨は現行版と同じながら、修辞が非常に控えめであり、現行版にあるような、後付けのイデオロギーを感じさせる「あざとさ」が無い。
「この節のため話が発散しており、物語の主旨が不明瞭になっている。また、いきなり伝聞が挿入されているため、言葉の流れが阻害されている」と、信憑性以外に文学的見地からも問題視されている「初霜短艇の記述」が書かれていない。
物語の結末にあたり、「理不尽な出撃を強いられ、敢闘を尽くした末に、なにもかもを飲み込んで沈没した大和」に対し「天下ニ恥ヂザル最期ナリ」、と言う言葉で最大限の花が手向けられている。
(冒頭で臼淵磐大尉が控えめに指摘した「理不尽な大和出撃に対して、乗組員が如何に精神内的昇華を行うか」を土台とした上で、「理不尽な出撃にも関わらず、士官下士官兵の各々が精神的な昇華を行い、全員が一丸となって敢闘した結果」への賛美が「天下ニ恥ヂザル最期ナリ」と受け取るとすると、イデオロギーを除外して、純粋に文学的見地からも、初出の文章はブレのない視点での終わり方と言える。)
上記その他の点も含め、純粋に、『戦艦大和ノ最期』を「昭和の平家物語」として捉える視点で言うと、現行の決定稿と比較して、作者の視点がブレておらず、文体が流麗な第1稿の方が遥かに格調高いとする意見も多い。
この小説が後の太平洋戦争を描写した小説や映画に与えた影響は大きく、特に天一号作戦を取り上げた作品には、本作の内容を参考として記述されている物も多い。
版本
初出(文語体)
江藤淳『一九四六年憲法 その拘束 その他』 p395~p433
江藤がメリーランド大学付属マッケルディン図書館ゴードン・W・プランゲ文庫で発見した未発表テクスト。文藝春秋『文學界』1981年9月号に初掲載。
保阪正康 編『「戦艦大和」と戦後 吉田満文集』 p206~p251
改定(口語体)
「軍艦大和」 銀河出版社『サロン』1949年6月号
『戦艦大和ノ最期』(創元社、1952年8月)
『戦艦大和』(河出書房太平洋戦記シリーズ、1967年11月)
『戦艦大和』(角川文庫、1968年7月) ISBN 4-04-128101-6 阿川弘之解説
(筑摩書房、1969年9月) 現代日本記録全集第21巻
決定稿
(北洋社、1974年8月)
(講談社、1981年8月) ISBN 4-06-118380-X
(小学館、1989年12月) 昭和文学全集第34巻 ISBN 4-09-568034-2
(講談社文芸文庫、1994年8月) ISBN 4-06-196287-6 鶴見俊輔解説
英訳版
Richard H.Minear 訳『Requiem for Battleship Yamato』(University of Washington Press、1985年10月) ISBN 0-295-96216-X